まもなく春が来る。
それはバルコニーの植物たちの世話がまた始まることを意味しているのだが、それは肉体的な苦痛を伴う作業だ。
強く張った根を切り裂き土の入れ替えをおこなうその作業は、東京育ちでぬるま湯に浸かりながらぬくぬくと育てられた私の華奢な手を荒廃させ、幼少期からの付き合いである痔を容赦無く痛めつけ、そして悲鳴をあげさせるのだ。
だがしかし、私はついにこの苦行を圧倒的な武器の入手で解決する試みを実行に移す算段を整えた。
それが冒頭のこの2つの武器だ。
ガチガチの土と根を切り裂く武器。
実に頼り甲斐のある面構えだ。
持ち手部分に「FOREST GIFT JAPAN」の文字。意味不だが、どうやら粂田工業という会社のものらしい。
サイトをみていると「グットデザインひょうご スポーツ・レジャー部門賞」の文字が。
それはすごいのか。(ディス)
しゃがんでは立つの動作を圧倒的に減らすであろう武器はこちら。
この懐の深さよ、愛おしい…
ついに、薄っぺらで根に負けて折れ曲がった朱色のシャベルはお役御免の時がきた。
私はこの2つの武器とともに、春を待っている。